原作準拠>ホークと別れるときにもう少し感極まってくれるとありがたい


「準備はいいか?」
返事はない。
いつも仕事に向かうときのような軽い笑みが口元にはなく、上目遣いに思い詰めたような眼光を向けながら少年は黙り込んでいた。
「どうした?」
『ホーク、……オレ、キグナスを降りる』



――せっかく、あそこまで追いかけたのに。

あのとき呼び出しさえなければ、Dr.クラインを捕まえることに今頃とっくに成功していたかもしれなかった。毎回そうだ。あと1歩のところで制止を喰らうようなタイミング。それを思うと、この縛りはとてつもない邪魔だ。
だけど一方で、自宅も家族も失ったオレに寝食の場所と役割を与え、第2の父親かのように接してくれたのもまたホークだった。
仕事という役割があれば辛いことは結構忘れていられるから、そういう時間を過ごせたことでだいぶ助けられたのだと思う。勿論その恩を忘れたわけではない。
だからこんなことは心苦しいが、ブラッククロスを追う為には仕方ないんだよな。
……止められるかな?仕事放り出すこと。
「やはり、行くのか」
だが彼は不思議と全てをわかっているかのような静かな応えをしただけだった。
それがなぜか胸の奥の塊を揺さぶっていた。
なんだよ、肩透かし!ちょっとは、身勝手な野郎だとでも怒ってくれりゃいいのによ!
『あ…ああ、世話になったよ』
複雑な気分が顔に出るのを隠すようにオレはホークに背を向けて壁を見つめ、小さく溜息をついた。
「ユリアには声をかけたのか?」
『いや、なんか照れくさいし……』
そんなこといいじゃねえか、あんましツレない子だし。挨拶はしたいけどさ。
でもオレがいま気にしているのは、あんたなんだよ。
「そうだな、二度と会えないわけでもない。…頑張れよ」
何か察しただろうか、それは心なしかユリアではなくオレたちのことを言ってるように聞こえた。
ようやくオレはふっと笑い、ホークへ振り返った。
『うん、ありがとう』





感極まってないじゃん。元々は涙を隠すために壁を向くはずだったんだけど、
それは崩れすぎてかわいそうなので、当社比60%ぐらいに抑え気味になった。
意味あるのかその修正、一体なんのためにやってん、



赤い狐と狸は何方

何年遅れなのかサガフロの二次創作サイト。 レッド推しだけど中の人のせいで色々おかしい CP…アニー攻?(19/05/31現在)